2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夜われ床にありて我心の愛する者をたづねしが尋ねたれども得ず。

余は彼の人を生前より見知れるが如き心持を覚へり。此は予てよりの我が習癖なれども、想う人に懐旧の情に似たる情感を持つ事屡々に及ぶ。或は彼の人の姿形とは余の原形質深くに記憶されたる塵芥が断片の一々に刻まれたりし物なるか。遠きAttikiの街に彼の人…

銘記せよ、秒速で。

これまで生きてきたということは、すなわち、これまで死を免れてきたということである。そして、そのことはすでにまごうことなき奇跡なのである。それを奇跡ではなく、ただの偶然の重なりに過ぎないというのならば、ではいったい何を奇跡と呼べばよいのか。 …