暗闇から黎明へ、水底から水面へ向けて、意識がゆっくりと浮かび上がる。かすかな底冷えを感じながら、いまだ明けやらぬ夜明け前。 混濁した意識が清明になっていくまでのしばらくのあいだ、ぼんやりと輪廻ということについて考えていた。あるいは無限と永遠…
夜闇に向けて窓が開かれており、そこから湿気を帯びた重い空気がゆるゆると流れ込んでいる。その空気は冷たいとも暑いとも付かず、ただ存在だけが外部からの異和として感じられ、そしてそこへ横たわる私に降り注ぐ。 未明に、幾度かの金縛りを体験した。 暗…
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