東下り

伊勢物語』第九段

その男、身を要なきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとて、行きけり。
もとより友とする人、一人、二人して行きけり。道知れる人もなくて、まどひ行きけり。

私も、もとより「要なき身」ではあるのだけれど、その事実をまるごと淡々と受け入れるのはちと辛すぎるか。