Gadget! Gadget!

 昨日から今日にかけてネットスペースは、そのニュースに席巻された。
 どのニュースサイトを見ても、iPhoneの話題で持ちきりだった。それだけ衝撃的なニュースだったということだろう。

AppleOS Xが動作するiPod機能内蔵の携帯電話「iPhone
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070110/apple2.htm

アップル、ついにネット接続可能な携帯電話「iPhone」を発表 - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070110_iphone/

ITmedia News:MaciPod+携帯でスマートフォン超えを目指す「iPhone
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/10/news010.html

 物欲を始めとする欲望を喪失して久しいこの私も、このニュースには心動かされるものがあった。かなり欲しい。これひとつで、デジカメ、iPod、携帯電話、ネットを使いこなせる。それだけなら真新しいこともないのだが、iPhoneの凄いところは、フルフェイスタッチパネルを採用し、インターフェイスを洗練させることで、あのMac特有のシンプルで直感的な操作を可能にしているところである。この手のツールは、機能の多さに比例して操作系も煩瑣になる傾向にあったが、iPhoneは見事にそれを克服しているようである。
 つまるところ、iPhoneはガジェット系のひとつの完成型であると言える。

もっとも、iPhone発表後、一時沸騰したネットスペースも、一夜明けた今日は次第に鎮静化に向かっているようだ。そして、iPhoneを冷静に批評する意見も出始めている。

iPhone、欲しいか? - ただのにっき (2007-01-11)
http://sho.tdiary.net/20070111.html#p01


そんな中、以下のような情報も出てきた。

iPhoneが日本で発売されない理由 -閉鎖的携帯電話市場「日本」とGSM -[Di]
http://nextxp.net/archives/2007/01/iphone_gsm.html

 iPhoneが採用している通信方法が日本で採用されている通信方法とは異なっており、それゆえiPhoneが日本で発売されるのはいつになるか分からないという。
 その問題については、アップル社幹部も認めているところ。以下の記事参照。

【Macworld 2007 Vol.5】アップル重役が語る新製品──「iPhoneにとって日本は重要な市場だが、克服すべき課題も多い」
http://ascii24.com/news/i/topi/article/2007/01/10/667103-000.htm

 アップルとしては、有望な日本市場を放っておくはずもなく、技術的か制度的か政治的か、手段は定かではないが必ず問題を解決する方途を探っているはずである。お手並み拝見といったところか。

 ところで、上記記事のなかの次のくだりには思わず笑ってしまった。以下引用。

[ジョズ氏] サードパーティーへの展開は、今のところ考えていません。先のセキュリティーの問題がその理由に当たります。iPodのコンテンツ保護と同様の状況だとも言えるでしょう。われわれの側で用意したソフトを公開することはあるでしょうが、サードパーティー側で用意したコンテンツを提供する予定はありません。

 昔からの「知らしむべからず、由らしむべし」というアップル体質は、いまだ健在だったのだ。
 Macwindowsにシェアを奪われ、アップルが息も絶え絶えになっていた10年前からすれば、今日のアップルの躍進は想像も付かなかった。だが、あの頃批判された独特の体質は、現在もまだ残っていたのだ。今となっては、むしろその独善的とさえ思える体質が独特の製品を生み出し、今日の躍進に繋がったのだと思えなくもない。おもしろいものである。