リインカーネーション

生きることとは、13階段を一歩、また一歩と登り進めていくようなものだということは、もはや衆目の一致するところだが、人が死に至るのは何も13階段を登り詰めたそのてっぺんにおいてだけではない。人は、13階段を一段登るたびに死に、また一段登るたびに生まれ、すなわち100万回死んで、100万回生まれ、そうやって日々、その日、その時、その瞬間を、生まれ変わっているのだから、昨日の私はすでに死んだのだし、今日の私は生まれ変わった私なのだ。


なぜ、人は生まれ変わらなければならないのか。
生まれ変わらないとすぐに腐り落ちてしまうからである。


悲しみも憎しみも苦しみさえも。
つまり、すべてと、それから、すべてが。
なにもかもが。ありとあらゆるものが。一瞬のうちに。
どろどろに崩れて。ひたひたと汚液を垂れ流し。あくまでも腐臭を放ち。


すべてのことは過ぎ去ってゆく。
すべては流れ去っていく。
すべては腐ってく。


輪廻せよ。秒速で。
腐ってしまう、その前に。
いつか死に絶える、その前に。